人よりもひとつだけ世界と繋がる術が少なかった。
人よりもすこしだけ不器用な手足でもがいていた。
みんなの周りの変化についていくのが苦手だった。
助けてくれたあの人を叩いてしまった。
なのに怒られなかった。
仲良くなりたいあの子を叩いてしまった。
あの子の頬は赤く腫れていた。
抱きしめてくれた人を殴ってしまった。
それでも手を離さないでいてくれた。
助けに来てくれたあの人に噛みついてしまった。
それでも大丈夫よって笑ってくれた。
自分が間違えてばかりで、それを許されてばかりで。
それを、はじめて“くやしい”と思った。
誰かにできることは少なくて。
たくさんの人に助けてもらうことしかできないんじゃないのかと思った。
きっとそれは、どこかでは本当のことで。
してもらったことと同じことを返すには、みんな、違いすぎるから。
それでもひとつ、できることを。
最善でなくても、精一杯を。
ごめんなさいと、ありがとうと。
それから。
「だいじょぅぶ、」
「げんきだよ!」
これは、たしかにあなたたちからもらった支え。
それを忘れないで、少年は世界を生きていく。
PL:六丸(Twitter→@_ro_ku)
*プロフィール、ロールでの描写等は全て少しの体験と多くの想像でできています。
それゆえに現実の例からは離れた、極端な表現が含まれる可能性が大いにあります。
ご了承ください。
*ログや発言のスクショの公開は自由です。Enoかキャラ名を併記していただくとちょっと嬉しい。