うさぎの耳を生やした長身の青年。
とある男を主人とし、その男の後ろを付いて歩く『従者』。
ただ、それだけの男だった。
強く在れ、と世界に望まれた "英雄"
世界に、運命に甘やかされた "強者"
主人に恵まれた "従者"
島の外では確かに強かった彼には、恐怖らしい恐怖を穿たれた経験など、一度たりとも無かった
隣には主人が居たので、敗北の二文字など無かった
"無かった"
"無かった"けれど
一度穿たれた恐怖は確かに、心の臓に根を這って
一分一秒の中、蝕まれながらも育んだ
少年が青年になってから
再び訪れたこの場所で、成すべきことは
綺麗で、愛しい あの日かけられた魔法を 解くこと。
今は、隣にいる。
残骸を寄せ集めて、息をする。
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イラストは全て【サーディンの缶詰め(@sadin_oisii)】様に描いていただきました。
この場をお借り致しましてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
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