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No.147 サヒナ
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age:16歳
sex:female
height:148cm
weight:40kg
Trend:出来るだけ避ける
Favorite:紅茶、友達、アズマさん
Hate:水中、努力不足な自分自身
Comment
「――大丈夫、歩いていけるよ」
【Battle_Log】
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「……やっぱり。お兄ちゃんには、まだまだ届かないなぁ」


✿ 姫凪 桜雛 -Himenagi Sahina- ✿


記憶喪失だった16歳ほどの少女。
明らかに体格と合っていないぶかぶかのパーカーに、ツートンカラーの髪が特徴。
直前に自分が何をしていたかから始まり、過去や自分自身のことなど、ほとんどの記憶が欠落していた。
今もなお全ての記憶を完全に取り戻したわけではないが、大部分のことを思い出している。
気づいたら記入済みの招待状を手に、フタハナ島へ辿り着いていた。

習い事や勉強を頑張っていた。兄に追いつけるように。兄ではなく『姫凪桜雛』を見てほしかったから
水中が怖い。フタハナ島へ向かう前、海に落ちていたから
神様の存在を信じている。教会で生まれて幼い頃から神様の存在を信じていたから

兄に追いつきたくて、追い越せなくて、それでもずっと追いかけて。
己を通して兄を見る視線が苦しくなって、誰にも相談せずに飛び出した。
――姫凪桜雛は、そんな拭いきれない劣等感に振り回された少女であることを、ようやく思い出した。


✿ サヒナについて(交流面)
・既知フリーです。知り合いみたいに話しかけてくれても大丈夫です。

・設定の捏造大歓迎です。何があったか、どんな関係だったのか、じゃんじゃん捏造してください。君がサヒナの記憶を作ろう!
なお、その設定はちょっと駄目だと思った場合はこちらからノーを示すつもりなのでご了承ください。

・幼馴染や親友など、親密な関係も募集しています。こちらは1名ずつかも。

・サヒナは元の世界だと、バスに乗って海に向かう姿を目撃されたのを最後に行方不明になっているというふんわりとした設定があります。
よければロールフックとしてどうぞ。


出会いの記録
名前を名乗った、もしくはこちらの名前を知っていた場合、✿をつけています。
もし掲載しないでほしい場合、お手数ですがご一報いただけると助かります。
記載漏れがあったら申し訳ないです……。


✿ミタライさん(149)
個人回線で声をかけてきてくれた人。
わたしを病院で見かけた、そう教えてくれた優しい人。
この島でデスゲームが行われることも教えてくれて、気をつけてって言ってくれた。
……何かあったら、わたしもミタライさんの力、なれるようにしないと。


✿アズマさん(228)
廃墟で寝る場所を探していたとき、声をかけてくれた。
一緒に探そう、そういってくれて……不安でいっぱいだったから、とても安心した。
アズマさんも気づいたらここに来てたらしくて、招待状にサインを書いたところまでは覚えてて、でもそれからはさっぱりだって。
記憶に影響あるの、わたしだけ。そう思ってたから、とても驚いた。
……いっぱい助けてもらったから、わたしもアズマさんの力、なれるように頑張らないと。

→のちに、一緒に行動する『バディ』になってもらった。これから、よろしくね。

→たくさん迷惑、かけてごめんなさい。けれど、ずっと一緒にいてくれてありがとう。
……わたしの大切な人。これから先も、どうかよろしくね。


・カフェ店員さん(69)
森の中にあるカフェ(20,30)の店員さんで、わたしの先生。
すごく頼りになる、格好よくて優しい――お姉さんみたいな、人。
川でカップとかコップを洗ってるのをみかけて、思い切って声をかけてみたのがきっかけ。
美味しい紅茶をごちそうしてくれて、紅茶の淹れ方も教えてくれて……本当に、すごく優しいし嬉しかった。
また遊びに行きたいし、また紅茶も飲みたいし……あのお店、ずっと残ってくれてたらいいな。

→白磁のティーセットをもらった。ティーポットとティーカップ、ソーサーのセット。
旅立ちのお祝いって……そう、いってくれて。すごく、すごく大事にしようって、決めた。
大好きな先生。必ず、また次に会うときは……紅茶をごちそうするから、楽しみにしてて。


✿美澄さん(181)
個人回線で声をかけてくれた人。
わたしのこと、知ってたみたいで……どうしてって思ったら、お兄ちゃんの友達なんだって、そういってた。
わたしにはナツキっていうお兄ちゃんがいたんだって、そう教えてくれた。
それから、わたし、元いた場所?では、行方不明になってたんだ……って、ことも。
優しい人だから、危険な目にあってほしくないし……無事であってほしい、けど。
――与えられた情報がデタラメである可能性を、少女は考えていなかった。信じていた。
今はもう、ちゃんと気づいている。

→それでも、あなたは恩人だから。
あなたの嘘がきっかけになって、わたしはお兄ちゃんのことを思い出せたから。
……嘘つきのあなたの人生が、これから楽しく良きものとなりますように。


✿クノオカさん(92)
独特オッドアイお姉さん。個人回線で声をかけてくれたのがきっかけ。
オッドアイの波動?って、独特な言い回しの言葉を使ってたのが印象的。
おっとりした雰囲気のお姉さんで、貴重なオッドアイ仲間のお姉さんでもある。
……他の人にワンパンされたっていってたから、大丈夫かな……心配……。


✿ソウカさん(146)
個人回線で声をかけてくれた人。ソウちゃん。わたしの、友達。
バス停でよくお話してたんだって……そう教えてくれた。
多分、そうちゃんのほうが年上なんだと思うけれど……でも、きっとそう呼び合えるくらいに仲が良かったってことだと思うから。
早く、ソウちゃんのこと、思い出したい。無事でいてほしい……お願い、だから。

→ソウちゃんに紅茶を教えたこと、聞かせてくれた。
……わたしが先生のところで、紅茶の淹れ方、教えてもらったとき……なんとかできたの、納得できた。
過去のわたし、ソウちゃんと一緒にお茶したことも、あるのかな。

→ソウちゃん。わたしの、大事な友達。
必ず、必ず会いに行くね。約束のブーケ、半分、必ず渡しに行くから。
……だから、待ってて。わたしがまた、ソウちゃんに会いに行くのを。


✿阿比坂さん(172)
優しくて頼りになる印象の人。
特別な力をもらったあと、森の中で寒くてじっとしていたら小さな焚き火を用意してくれた。
そのとき、小学生の……確か二年生だった、かな、そのときに知り合っているかもしれないことを教えてくれた。
わたしは、思い出せなかったけど……阿比坂さんは小さい頃のわたし、知ってるのかもしれない。
……忘れてしまっていることがとても申し訳なくて、……阿比坂さんのことも早く思い出したい。

→阿比坂さんが知ってる『姫凪桜雛』のことを教えてもらった。
小学二年の頃のクラスメイトで、当時の阿比坂さんを気遣っていたことを話してくれた。
クラスメイトで、恩人で、大事な友達だって……そういってくれた。
きっと、過去のわたしにとっても……そして、今のわたしにとっても、大事な友達。


✿陽翠さん(195)
森の中にいたとき、名前を呼ばれた気がして……そこから少ししたあとに、個人回線で声をかけてくれた人。
親しい間柄だったのかはわからないけれど、何度か話したことがあるって、そういってた。
それから……わたしが暗い顔や、思い悩んだ顔、してたことも教えてくれた。
過去のわたし、何を抱えていたのかは柊さんには話してなかったみたいだけど……何を、悩んでたんだろう。

→過去のわたし、心配性だったっていうこと、教えてくれた。
手に力、入っちゃって……うっかり、そのとき持ってた食べ物や飲み物、駄目にしちゃうくらい。
でも、今のわたしも、いろんなこと、不安になるから……なんだか、納得できる気がする。

→たくさん心配かけちゃってごめんね。でも、ありがとう。
……これからも、たくさんお話しようね。陽翠ちゃん。


・ユーリさん(347)
最終日、不安でじっとしていたところに声をかけてくれた人。
ギターで音楽を聴かせてくれて……それを聴いてたら、だんだん落ち着いてきて。
思わず小さな声で歌って、そのままミニセッションみたいな感じになった。
……ありがとう。あのとき、落ち着かせてくれて。


✿フユキさん(177)
最終日、いろんな声が聞こえて不安がってたところに、通信機で声をかけてくれた優しい人。
もうすぐ帰れるお話、異能のお話……いろんなお話をしてるうちに、だんだん怖いのが落ち着いていった。
だから、あのとき……声をかけてくれて、本当にありがとう。
冷気のコントロール、ちゃんとできるようになったら……必ず、握手、しようね。
わたしも、フユキさんとお友達になりたい、から。





記憶の真相
姫凪桜雛は、とある町にある教会に生まれた少女である。
幼い頃から神様を信じ、祈りを捧げ、神様の存在を身近に感じ続けてきた。
信心深い父に、祈りの大切さを繰り返し教えてくれた母。そして――幼い頃から、ずっと頼りにし続けてきた兄。
桜雛は、そんな家族の下に生まれてきた。

桜雛にとって、兄はいつも頼りになる存在だった。
冬の寒い日にも桜雛の習い事が終われば必ず迎えに来てくれた。
両親が忙しい間は一緒に遊んでくれた。
絶対に見つからないと思ったところに隠れても、あっという間に桜雛を見つけ出した。
父が運悪く事故にあったときは、不安で震える桜雛の隣でともに神様へ祈ってくれた。
いつのいつでも、兄は桜雛の前を歩いて、引っ張り続けてきた。

――ところが、小学校高学年になってから、兄の存在は桜雛にとっての壁になった。
兄は、桜雛が5の努力をして身につけることを、0の努力で身につける。
桜雛が10の努力をして身につけることを、1の努力で身につける。
桜雛が100の努力をして身につけることを、10の努力で身につける。
生まれながらの天才肌。才能の持ち主。それが、姫凪桜雛の兄だった。

故に、周囲は桜雛の名前を知ったとき『あの姫凪の妹』と口にするようになった。
桜雛を通して兄を見る。桜雛がどれだけの努力を重ねても、周囲の人間は兄の姿を見続ける。
もちろん友人の中には桜雛をきちんと見てくれる者も多かったが、それでも苦しくなっていってしまった。
頼りになる大好きな兄の背中は、いつしか絶対に越えることができない壁になってしまった。

『お兄ちゃんのようになりたい』『あの人と同じところに至りたい』
『そうすればきっと、みんなも姫凪桜雛を見てくれる』

そう信じて走り続け、努力に努力を重ねて、それでも兄には追いつけず――首はどんどんしまっていく。
まだ足りない、努力が足りない、まだ頑張らないといけない、頑張らないと。
その思いで己を奮い立ててきた桜雛はある日、ぷつりと。糸が切れたように、一つの願いを頭に思い浮かべた。


はるか遠くへ


その願いを胸に、桜雛は早朝に自宅を抜け出した。
歩いて、バスが動き出した時間になれば途中でバスに乗り込んで、海を目指して。
人がいない時間帯を狙って海を眺めていたとき、荷物に見知らぬ招待状が入っていたことに気づいた。
普段は怪しんで捨てるところだったが、どこか遠くへ行きたい気持ちだったのもあり、なんとなく記入して。

――ちょうど記入が終わったとき、招待状が風にさらわれた。
とっさに手を伸ばして、バランスを崩して、海の中に落ちてしまった。


……そして、気がついた頃にはフタハナ島。
何も覚えていない、何もわからない、わかっていることはほんの少しだけ。
そんな状態で、サヒナは招待状を片手にフタハナ島へやってきた。





記憶の断片
・名前は、サヒナ。姫凪桜雛。
・何かを頑張ってた。いっぱいいっぱいいっぱい頑張って、頑張って、頑張らないといけない。
・水が怖い。具体的には水中が怖い。……どうして?
・神様はいる。神様は見ている。正しく祈れば、神様は叶えてくれる。だからみんなを助けて。

・病院に行っていたことがある。理由はわからないけれど。都会とは言い難い、海沿いの地方都市――そこにある病院に足を運んでいた。
・紅茶が好き。多分、紅茶が好き。淹れ方を教えてもらって、スムーズに淹れられるようになるくらいには。
・兄がいる。名前はナツキだって、教えてもらった。わたしが行方不明だったことも――でも、それは真実の記憶?
・友達がいる。バス停でお話をしていたお友達がいる。ソウちゃん。……どうして、わたし、覚えてないんだろう。
・小学二年生の頃、阿比坂さんと同じクラスで隣の席だった。居場所がなかった当時の阿比坂さんの力になれていた。……そう、教えてもらった。
・暗い顔や思い悩んだ顔をしていたことがあるらしい、けれど。わたし、何か……悩みがあった、のかな。わからない。
・過去に、ソウちゃんに紅茶を教えたことがある。……わたしが紅茶の淹れ方を知ってたのも、だからかな。
・心配性で、食べ物や飲み物を駄目にしてしまうことがあった、らしい。でも、今のわたしも心配性だから、納得できる気がする……。




異能
✿ 凍雪の女王
少女に与えられた力は、己と周囲を凍りつかせる力。
常に身体に冷気をまとい、死人同然の体温になるかわりに相手を凍えさせる力。
一度の決闘を経てその力は強まり、身体に薄氷をまとうくらいにまで成長した。

その性質は、守るための力。
目の前の脅威を取り除き、己と誰かの命を守るための力。
……けれど、少女は最後にその力と別れを告げた。

己は雪の女王にも、氷の鏡にもなれない。
――あれは、己には過ぎた力だから。




少女の手記
・0日目(17~18日)
……ふと、気づいたら、見慣れない島にいた。
手には招待状、持ってて……そこに、姫凪桜雛っていう名前が書いてあった。
なんだろうって思って……そこから、わたしは誰なんだろう、なんでここにいるんだろうって、疑問がわいてきた。
思い出そうとしても何も思い出せなくて。何もわからなくて。
――わたしは、どうしてここにいるんだろう?何者なんだろう?

わたしは、わたしのことがわからない。
そう気づいたあと、いろんな人たちと出会って、お話させてもらった。
ミタライさん。アズマさん。美澄さん。カフェ店員さん。クノオカさん。いろんな人たちと言葉を交わした。
その中で、わたしはわたしについて少し知れたけど……まだ、わからないことも多い。

それから、ソウちゃんっていう友達がいることも、わかった。
ソウちゃんのほうが年上なのに、ソウちゃんサナちゃんって呼び合ってたみたいで……とても仲良しだったんだと思う。
……思い出したい。なんで、忘れちゃったんだろう。


・1日目(19日)
ただのドッキリであってほしい――そう思ってたデスゲームが本格的に始まった。
特別な力を与えるっていうのも本当だったみたいで、急にすごく眠くなって……次に起きたとき、身体に異変が起きてた。
記憶のないわたしでも、こんなの異常だって、おかしいって、わかるくらいの異変で。
……一緒に行動してるアズマさんを驚かせてしまわないか、すごく不安になった。
与えられた力でいろんなことが起きてる声が全体回線から聞こえたから、余計に。

でも、不安になってるだけじゃいけない。生き延びないといけない。
そう思って行動していたら、阿比坂さんと柊さんの二人と出会った。
寒くて震えてたら、阿比坂さんは小さな焚き火を作ってくれて……そのとき、小学生のときに知り合ってるかもしれないって教えてくれた。
柊さんとわたしは話したことがあったらしくて……そのときのわたしのことも教えてくれた。
二人のことも、早く思い出したい。


……そういえば、少しだけ。頭をちらついたことがある。
森の中で寒くて震えてたとき、昔、似たようなことがあったような気がした。
そのときのわたしは今より小さくって……寒いなぁと思ってたときに、誰かが迎えに来てくれた。
わたしよりも背が高くて、頼りになるあの人は……誰、だっけ?


・2日目(20日)
……アズマさんが、死のうとした。
書き置きを置いて、どこかにお出かけしてて……いつもみたいに、帰ってくるって、思ってた。
もしものときに備えて、クローゼットに隠れて、全体回線をつけたら……騒ぎになってた。
えっ、て思ってたらアズマさんが死のうとしてるっていう連絡も来て……頭の中が真っ白になった。

ずっと、自分の力について説明できてなかった。
もっと早く説明できてたら、何かが変わってたのかもしれないと思った。
飛び出したくなったけど、飛び出していって何ができるのか、わからなくて。
……いろんな人にお話を聞いてもらいながら、ずっと待つしかできなかった。
先生が説得してくれたおかげで、無事で帰ってきてくれたから……先生にまた、お礼、言わなきゃ。
日に日に物騒になっていって、死の気配や音もいろんなところから聞こえてくるから……先生、無事でいてくれてるかな。


そういえば、アズマさんの帰りを待ってるとき。ちょっとだけまた何かが頭をよぎった。
かくれんぼをしていた記憶。ここなら見つからないはずと思って隠れた場所で、あっさり見つかった記憶。
昨日、思い出した記憶の中にもいたあの人は……お兄ちゃん?



・3日目(21日)
この島に連れてこられてから、3日目。……まだ、3日目。
だけど、島ではいつも何かが起きていて、力を与えられたことによって悲しんでいる人たちもたくさんいて。
……情報収集のために全体回線をつけることもあるけど、苦しんでる声が聞こえてくることが多くて。
どうして、わたしに与えられた力はこんな力なんだろう……って、思い悩むことも増えてきた。

わたしにはこの力が与えられたんだから、この力で頑張るしかないんだけど。
それでも、……傷を治す力やもっと守ることに特化した力だったら、アズマさんやソウちゃんたちのことを守れるのにって、思っちゃって。
……毎日、人が死んで、どこかで誰かが悲しんでて……人が死ぬことに慣れちゃいけないと思ってても。
正直、とてもつらいし苦しいものが、ある。

ソウちゃんとカフェでお茶をする約束してたけど、人を暴走させる異能の騒ぎがあって動けなかった。
あの辺りに、近づけなかった……ソウちゃんは無事かな、先生も無事かな……毎日がとても怖い。
どうか、どうか。みんな、生きていて。みんなを助けて。神様、お願いします、神様。


……こんなに怖いこと、前にも、あった気がする。
あのときも今みたいに、ずっと神様に祈ってた。いつも身につけてるペンダントを握りしめて。
確か、あのときは……お父さんを助けてって、神様にずっと祈ってたんだ。
……神様はお父さんを助けてくれた。だからお願い、神様、残りの日数……みんなを、助けて。お願い。



・4日目(22日)
今日で、やっと4日目。いろんなことがあったけど、今日は比較的穏やかな日だったと思う。
残りの日数も、ずっとこんな日が続けばいいのに……って、思う、けど……きっと、そうはいかないんだと、思う。

全体回線を聞いていたら、お花の目撃情報がちらほらとあがってた。
この島に来てから、たびたび耳にする話題。この島から抜け出すために必要なブーケ。
それを作るために必要なお花が、いろんなところで目撃されてる。
……人狼の人や吸血鬼の人、暴走の異能の人……苦しんでる人、たくさんいるから、優先順位はその人たちが一番高いと思う。
でも、もし――ブーケを作れたら、ここから脱出できるかもしれないっていうのは……なんだか、ほっとする。
わたしもお花を探したいけど……なかなか、怖くて動けなくて、……自分が情けない。
もっと、頑張らないといけないのに。


そう、頑張りが足りない。前のわたしも、何かを頑張ってた。
でも、足りなくて。足りなくて、足りなくて足りなくて足りなくて足りなくて足りなくて足りなくて――。


……わたしは、何を、頑張ってたんだっけ。



・5日目(23日)
5日目。……そう、5日目。こんな狂気の島に来てから、もう5日が経ってる。
確か、主催者?っぽい人が言ってたのは……7日間、だっけ。
7日間だから、あと2日。あと2日生き残れたら……もしかしたら、ここから脱出できるかもしれない。

黒い注射器、白い注射器。暴走の異能を消した人、そこから生まれた争い。
凍土化の騒動。……今日も、本当にたくさんの騒動が起きていて、どこかで命が散る。
ソウちゃんは無事かな。柊さんも、美澄さんも、ミタライさんも、クノオカさんも、阿比坂君も、先生も。
どうか、どうか……みんな、無事でいてほしい。
わたしは花を見つけられない。念の為に作ったセーフハウスを中心に探しているけれど、なかなか見つからない。
……わたしは、どうしようもないくらいに、みんなの役に立てない。それが、悔しい。


……頑張らないといけない。もっと、もっと頑張らないといけない。
たくさんたくさん頑張って、頑張って、頑張って、そうしたら。



そうしたら、お兄ちゃんみたいに。
お兄ちゃんじゃなくて、わたし、を――。



・6日目(24日)
6日目。今日も無事に生き残れた。
今日は比較的落ち着いてる……落ち着いてた、のかな。
もう全体回線をつけることも少なくなってきてるから、何が起きてるのかわからない。

アズマさんと一緒に、先生のお店に行った。
本当は違う目的もあったんだけど……先生のお店に行くっていう約束、前にしてたから。
それ、ちゃんと果たせてよかったって思うし……アズマさんに先生の紅茶、ごちそうできてよかった。
久しぶりに行った先生のお店は、うんと素敵になってて、いろんな人たちが来てて――本当に、居心地がいい場所だった。
できれば、ずっといたいな――なんて。そう、思っちゃったくらいに。

そのとき、先生から旅立ちのお祝いってティーセットをもらった。
素敵な白磁のティーセット。ティーポットとティーカップ、それからソーサー。特注で作ってもらったもの。
どれも、とても綺麗で、可愛くて……本当に、嬉しかった。
異能で作り出された武器も譲ってくれて……これで、わたしも、何かあったときはあの人を守れるかな。



だって、頑張らないといけないもの。わたしは。
頑張らないといけない、頑張らないと、だってずっとそうしてた、ずっとそうしないといけない。
そうしないと、わたしは、いつまで経っても。



……思い出したくない。頭の中がぐちゃぐちゃする。でも、思い出さないといけない。
忘れてちゃいけないことだ、わかってる、でも思い出したくない、忘れていたい、でもそれは駄目。



思い出さないといけない。何を、頑張ってたのか。どうして頑張ってたのか。
――わたしは、『姫凪桜雛』を、知らないといけない。



・7日目(25日・26日)
アズマさんと、戦った。……戦うことに、なってしまった。
全部はわたしのせい。わたしが招いたこと。
わたしが、自身の記憶について話さなかったから――引き起こされたこと。

はじめて戦いのために使った異能の力は、アズマさんには届かなかった。
わたしのためにずっと強くなろうとしてくれていたアズマさんは、本当に強くて。
……わたしでは、全然、歯が立たなかった。

でも、アズマさんに殺されたことでわたしはちゃんと『姫凪桜雛』と向き合えた。
過去の自分がどんな人物で、何があったのか、ちゃんと知ることができた。
思っていた以上に面倒くさくて、思いつめて、勝手に突っ走った結果、家族に心配かけるようなことをする悪い子だったけど……。
……思い出せて、よかった。本当に。

この島での生活も、今日で終わり。
わたしは、もう何も知らないサヒナじゃない。
苦しいこともつらいこともたくさんあるけれど、わたしはちゃんと自分の足で歩いていく。
アズマさんも一緒にいてくれるから、もう大丈夫。


ああ、でも、まずは。
……ソウちゃんとの再会の約束、それから柊さんとの約束。
他にも、記憶をなくす前にしていたいろんな約束を、ちゃんと守って。


――家族にも。一度、ただいまを言いに帰らなくちゃ、ね。









✿ PL向け情報
上記のとおり、完全既知フリー&捏造設定歓迎です。
知り合いとして話しかけていただけたら、記憶喪失という都合上、最初は初対面のような反応をしますが以降は知り合いとしてお話させていただきます。

このようなスタイルのため、交流は大歓迎しております。
個別メッセでの突撃もばっちこいです。
こちら置きレス・遅レス気味なので、個別メッセだと安定してお話できるかもしれません。
全チャ・周辺チャは見逃すかもしれませんので、もし見逃してるなと思った場合はお手数ですが個別メッセで再度話しかけていただけると助かります……。
また、戦闘を仕掛けられた・殺害された場合などに個別メッセを送る場合がございます。
こちらから個別メッセを投げる可能性もありますが、お邪魔でしたらスルーしてください。

基本的なアクティブ時間は夜です。
昼間の活動は、仕事がある日は控えめになります。
ログインしている間は、リアルタイムでのお話も頑張るつもりです。
日付が変わった段階から寝る確率が高まるので、日付が変わってから返事が途切れた場合は「あ、寝たんだな」と思ってください。
プレイスタイルはRP中心。毎回アイテムを拾うのに苦労しているのでまったり気味です。


✿ RP傾向
OK:NL中心。GLも一応いけますが、どちらかといえばブロマンスやロマンシスのような関係が好きなので流れ次第な部分が大きいです。
友情や親愛なども大好物です。
R-18も経験が少ないので自信はありませんが、一応対応可能です。流れ次第で頑張りたい。

NG:過度なグロ(流血程度だったらセーフ)やスカ系は苦手です。ごめんなさい。


✿ バディ関係について
現在、バディを組ませていただいております。
ありがとうございます。