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No.125 愛の花
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age:17歳
sex:男性
height:164cm
weight:49kg
Trend:出来るだけ避ける
Favorite:マスター、流れ星
Hate:暴力行為、心
Comment
願いは叶った。
【Battle_Log】
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御堂愛華。17歳。
どこにでもいる、ありきたりな普通の人間の少年だ。
ごく普通に生まれて、ごく普通に両親に虐待されて、ごく普通に仲の良い幼なじみがいて、ごく普通に高校デビューで機械を自称し始めただけの。
本当にありきたりな子供だ。

元いた世界でのはなし
少年はある日神様に出会った。
神様はたまたま指さした方向にいた人間に、そいつのことは何も知らずに話しかける。
「きみは誰にも愛されてなんかいない。不要な存在だ」
「だったら」
「その存在をあたしにちょうだい」
「きみが消えるまでの間、きみを万能にしてあげるから」
少年は普通の子供だったので、そんな陳腐な問いかけにも揺らいでしまって、それを受け入れてしまった。
契約は結ばれた。

幼なじみの怪我をなかったことにした。彼女は今日も元気に歩き回る。
気にかけてくれる近所のおじさんの買った宝くじを当選させた。おじさんが嬉しそうに旅行に誘ってくれた。
優しいクラスメイトのテストの結果を救済した。彼は心から安心していた。
そうやって、大事な人達のために「奇跡」を振りまいて。


「……あれ? 御堂……だよな?」
「ごめんな……なんか一瞬違和感を覚えて」

「愛華くーん! ……愛華、くん?」
「ええと……ごめんな、おじさん最近記憶力が下がってて。ボケはじめかな」

「あ、待っていたわきょう……あれ?」
「……愛華……よね? キョウリ、じゃなくて……いえ、キョウリは大事な……いや誰よ……?」


少年は塗りつぶされていった。


とうとう誰一人名前を呼んでもくれなくなった。両親はいつの間にか名字が変わっていた。
周りからの印象は変わらない。けれど、誰も「御堂愛華」をそうと呼ばないのだ。
変な夢も見るようになった。漫画の中みたいな様々な世界を生きていく夢。
少年は暴力が怖かった。なのに夢の中では彼はいろんな人に襲いかかっていて───


少年は知り合いが誰もいない遠い街の隅で膝を抱えていた。
こうなることは知っていたのに。いざそうなると、とうに殺したはずの心が苦しくて苦しくて仕方がない。
だから心なんて嫌いなのに。

神様が現れて言った。
「あと少しだね」
「ちょうど、いろんな世界から呼ばれた人が殺し合うゲームの参加者としての招待状が届いてるんだ」
「あたしはいらないから、きみが使いなよ」
「そうして、いろんな人にその力を使って、消えてね」

そう聞こえて。
気がついたときには見知らぬ島だった。

少年は全てを諦めて、もう一度心を殺した。


それが結局なんで星にやたらめったら好意を抱いてたの
少年は心が嫌いだった。
自分を苦しめてつらくさせるだけの心も、その原因となる両親の悪意にまみれた歪んだ心も、自分は何もできないのに優しくしてくれる周囲の心も、みんなみんな大嫌いだった。
「暴力」はその心の象徴たる存在だ。
嬲り甚振り苦しめ楽しむ。しかも身体にも傷を残す。
怖くて、それすらも嫌で、気持ち悪かった。

少年に上書きされようとしているその存在は、長い間数え切れないくらいの世界を生きて、死んで、生かされて、生に飽いてしまっていた。
それがまた他の誰かの存在を媒体に生かされようとしている。
いっそ何一つ感じず消滅したかった。

この少年がこのまま上書きされるのを続けていた場合も、その存在は生に飽きすぎて「もしも、こんな人生を送っていたら自分はどうなっていただろうか」をシミュレートして暇を潰すようになっていたので、周りからの印象も本人の思考も大して変わりはしなかった。
だから気づかなかっただけで、既に少年は相当自らを見失っている。

そんな彼らが、星を見たとき。
始まりはヒトの意思でも起きることはただの現象であり、流れて、やがて落ちたときにヒトを一瞬で殺してしまう慈悲深き流れ星を見たとき。
それらは自分の理想をそこに重ねた。


有り体に言えば、ただ一目惚れしてしまっただけのことだ。
遅い遅い初恋だった。


今は(47,15)で眠っている。
花弁はまだ4枚も残っている。生きているはずだ、喋れるはずだ、思考できるはずだ。この島の常識では。
でも、彼は生きていないし、喋りはしないし、もう心は失った。

「あの綺麗な星々に潰されて一瞬で終わりを迎えたい」

その願いの成就を持って、「奇跡」は終わり、契約は終了した。
星が落ちたのは彼の「奇跡」とは一切関係ない、ただその星の物語によるものだが。


「終わり」は、確かに叶えられた。




(ログの公開とかそういうのは大丈夫です)
(このキャラクターの画像はpicrewのななめーかー様を利用させていただきました)